IPL2019は60試合を終え、一生忘れられないほどの騒音、接戦、VIVOのパーフェクトキャッチ、アンドレ・ラッセルのシックスとともに、世界有数のフランチャイズT20大会としての地位にふさわしいクライマックスで幕を閉じた。
タイトな決勝戦の最終オーバーを前に、ラシス・マリンガは忘れ去られた一日を過ごしていた。このシーマーは3オーバーを42で投げ、CSKのキーマンであるシェーン・ワトソンも31で落としていた。しかし、ジャスプリット・ブムラーが最後のオーバーで見事なボーリングを披露し、ムンバイ・インディアンスをゲームにとどめた後、キャプテンのローヒト・シャルマは、スリランカ人に最後のオーバーを任せることにした。
わずか8失点で守り、ワトソンが76点まで追い上げていたため、マリンガは20オーバーを投げたときのT20の平均エコノミーを上回ることが課題だった。
最初の5デリバリーで7ランを許し、その中にはワトソンの決定的なランアウトも含まれていた。マリンガは、スーパーオーバーを強いるためにシャードゥル・タカーをシングルに抑えるか、勝利のためにウィケットかドットボールを要求する必要があった。
決勝戦の前まで、マリンガはT20イニングの120球目を27回ボウリングし、4ウィケットと45ランを奪っていた。そのうちの82%は、ヨーカー、低めのフルトス、ハーフボレー、つまりブロックホール狙いだった。
さらに、過去11回、マリンガがヨーカーレングスを放ったときは、6失点と打ちにくかった。この数字からすると、これが彼の常套手段であったことが予想される。
その代わりに、マリンガはこの10年間のT20の試合で一度しか試したことのない戦術をとった。遅いボールを投げたのだ。タクールはペースのなさに驚いたのか、正面でトラップされ、マリンガはムンバイに勝利した。
表面的には、この戦術は突拍子もないものだったかもしれないが、タカーのT20でのバッティング記録を見ると、マリンガの決断はより理にかなっている。タクールは過去に3度だけ(1度はマリンガ自身と)遅いボールと対戦しているが、いずれも得点できなかっただけでなく、2度退場している。
マルギンガのデリバリーの選択は、エリートボーラーがプレッシャーの中で明晰な思考を発揮した完璧な例である。
